オーナーがやっておくべき自然災害対策とは
2023/12/04
- オーナーさんの災害対策の必要性
賃貸経営をしていると、所有する物件が台風などの自然災害の被害に遭うケースがあります。ここでは、建物が災害で被災した際、オーナーさんに発生する責任について解説します。
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自然災害で建物が消滅したら契約はどうなる?
自然災害により建物が消滅した場合、民法や借地借家法では賃貸借契約は効力を失うものとされています。賃貸契約書上では「天災、火災のため、家屋が滅失した場合、本契約は消滅する」といった形で記載されます。
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自然災害の修繕費用はオーナーさんの負担になる?
また、自然災害が原因で賃貸物件の一部が破損し、修繕が必要になった場合、民法の規定にもとづき、修繕費はオーナーさんが負担するのが一般的です。
民法:第六百六条(賃貸人による修繕等)賃貸人は、賃貸物の使用及び収益に必要な修繕をする義務を負う。ただし、賃借人の責めに帰すべき事由によってその修繕が必要となったときは、この限りでない。
- オーナーさんがやっておくべき自然災害対策
自然災害は、いつなんどきに発生するのかが予測できません。ここでは、災害が起きたときのために、賃貸経営者としてオーナーさんが備えておくべきことについて解説します。
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防災アイテムの設置
賃貸物件への防災アイテムの設置は、入居者の命を守るための最低限の備えです。具体的には以下のようなアイテムを設置しておくと良いでしょう。
・消火器
・発電機
・マンホールトイレ
・救急医療セット
・土のう
・人命救助用品
なお、これら防災グッズを準備するための費用は賃貸経営上の経費として計上することが可能です。
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保険への加入
火災保険などの損害保険に加入しておくと、万が一のときも保険金を受け取れます。補償内容は契約によって異なり、水災や風災、地震など、対応する災害の種類が変わります。もちろん、補償範囲が広ければ保険料は高額になるため、必要以上に高額な保険に入ってしまわないように慎重に判断しましょう。
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点検と補修
万が一災害が発生した際も建物が倒壊するなど、深刻な被害に発展しないよう、日ごろから点検と補修をしておくことが大切です。なお、適切なメンテナンスがされていない建物が災害を理由に倒壊し、第三者が損害を被ったようなケースではオーナーさんが責任を取らなければならいこともあるため注意しましょう。
- 適切な自然災害対策は物件の価値向上につながる
自然災害への対策は賃貸経営に取り組んでいく上で避けては通れません。所有物件が深刻な自然災害に遭ってしまう可能性はそこまで高くはありませんが、リスクをゼロにすることはできません。万が一実際に災害が起きた際は物件が損壊や倒壊などの被害に遭うこともあり得るでしょう。保険に加入しておくなどの対策が取られていなかった場合、最悪の場合は再起できない事態に陥ってしまうこともあります。そのようなリスクを少しでも小さくするために、自然災害への対策を怠らないことが重要です。
なお、日ごろから点検や補修を行っておくことは災害対策としても重要ですが、入居者にとっての安心感にもつながります。 防犯対策と同じように自然災害対策は入居者の安心感に直結するのです。リスク管理としての災害対策をしっかり行いつつ、物件の価値向上をはかりましょう。
▼『フィット賃貸経営通信』10月号より
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2023/12/04