~外国人向け賃貸の導入について~入居者として外国人を受け入れるメリットと注意点
2023/01/23
- 外国人を入居者として受け入れるメリット
外国人向け賃貸について、ここでは外国人を受け入れるメリットを紹介します。
○在留外国人の数は増加傾向にある
平成24年から進められたアベノミクスの効果により、在留外国人の数は年々増加傾向にあります。令和2年は世界的にまん延した新型コロナウイルスの影響によって一時減少していますが、出入国在留管理庁が公表したデータを見ると、令和4年6月にはコロナ禍前の水準を超えていることが分かります。
○外国人の部屋探しはハードルが高い
令和2年に行われた、SRC在留外国人総合調査によると、外国人の「住居探しにおける主な困りごと」で性別・年代別共にトップ3に入ったのが、「外国人という理由で断られた」「保証人がいなかった」「家賃が高かった」という回答でした。外国人が日本で賃貸物件を探そうとすると、こうしたさまざまなハードルがあるため、すでに賃貸を契約している外国人仲間や知り合いからの紹介で賃貸物件を決めることも少なくありません。
○空室改善につながる
在留外国人が増加していることから、外国人向け賃貸の需要が増えていると予測できます。すでに外国人入居者がいる賃貸に申し込みが集中しやすいため、外国人の受け入れを始めることで、家賃が多少割高であったり立地が悪い(駅から離れているなど)場合でも入居者が決まりやすく、お持ちの賃貸物件の空室改善に向けたひとつの手段になるかもしれません。
- 外国人受け入れはトラブルに注意
外国人向け賃貸は、「今後も需要増加が見込める」「割高な家賃でも決まりやすい」などのメリットがありますが、一方で注意しなければならないこともあります。
○入居審査通過率が低い
アットハース株式会社が令和3年に公開した「【賃貸&外国人】にまつわる実態調査」によると、日本人の賃貸入居審査通過率は83.2%であるのに対し、在留外国人の場合は61.4%と、20%以上の差が出ています。オーナーさんが審査を調整できるケースもありますが、後々トラブルになることを避けるためにも基準を下げて入居させるのではなく、しっかり審査しておくことをおすすめします。
○家賃滞納率が比較的高い
同データによると、日本人の家賃滞納率は1.6%であるのに対し、在留外国人の家賃滞納率は2.1%とやや高い傾向にあります。保証会社に必須で入ってもらうことや、不動産会社を通じて入居前の説明をしっかりと行う必要があります。
○言語や文化の違いによるトラブルが多い
また、外国人入居者の受け入れは、言語や文化の違いによるトラブルが起きやすいという点にも留意しておきましょう。よくあるトラブルとしてあげられるのは、夜間の騒音やゴミ出しなど、本人にとっては悪気のない行動が他の入居者の迷惑になってしまうケースです。ただし、こうした言語や文化の違いによるトラブルは、入居者とのコミュニケーションを心がけ、適切に情報提供していくことで、事前に回避することが可能です。外国人向け賃貸をトラブルなく運営していくためには、「外国人向けの入居ガイドを整備する」「外国人向けのコールセンターを導入する」など、外国人入居者に対するサポート体制を予め整えておく必要があります。もしご興味のあるオーナーさんがいらっしゃいましたら、今後の空室対策の一環として外国人向け賃貸を検討してみてはいかがでしょうか。
▼『フィット賃貸経営通信』1月号より
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2023/01/23