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お金って何?歴史に見るトークン(貨幣)とクレジット(台帳)の話

2017/08/21

お金について改めて考えてみよう

こんにちは。株式会社フィット「投資の窓口」編集部です。

 

ビットコインに代表される仮想通貨の出現で、お金について考え直す流れが出てきているのではないでしょうか?

 

私たちになじみのあるお金は、100円玉や1000円札など実体のあるものですよね。

 

それに対して、仮想通貨はその名の通り実態が無いため、「分散台帳」に記録していると言われても、記録だけで何がどうなるのか、新し過ぎてつかみどころがないように感じるかもしれません。

 

ですが、歴史を紐解いてみると、100円玉や1000円札のような貨幣がいつも主流だったわけではないのです。資産を「記録」することは非常に古くからされています。

貨幣って何?

貨幣の定義は、① 決済手段(交換手段につかえる)② 価値保存(価値を貯蔵する手段)③ 価値尺度(価値を測るための計算の単位となる)の3つの機能があることです。

 

この中でもっとも重要なのは ① の決済手段だと言われています。物々交換では、自分が持っているものを欲しいものと交換してくれる人を探し出すのは困難でした。貨幣が出現したことで、容易に交換が可能になりました。これが主要な貨幣の特徴と言われています。

 

貨幣が貨幣として力を発揮するためには、みんなに「これは貨幣だ」と認識してもらうことが必要です。人々が、貨幣を使って等価値のものと交換できると信じれば貨幣として成り立ちます。その信頼を担保してきたのは、権力のある組織や国家でした。

 

現代では、国家のみが貨幣を発行することができますが、その代わり国家が力を失うと経済も破綻してしまいます。日本でも戦後のインフレで銀行の預金引き出しに制限がかかったり、現金の価値が一気に下がったということがありました。つまり、国家と貨幣は一心同体とも言えるのです。

トークンとクレジットの違い

トークンというのは、持ち運びできる金貨や紙幣のことです。現代日本の生活では、貨幣を使うのが当たり前ですが、たとえばメソポタミアの初期文明では、トークンは発明されていませんでした。代わりにクレジット(台帳・帳簿など)が使われました。宗教的権威を持つ組織が、農民の年貢を台帳に記録して、お金の貸し借りをしたのです。

 

世界最古の文字の記録といわれているシュメール人の粘土板の書記には、「2万9086 大麦 37ヶ月 クシム」と書かれています。おそらく、「37ヶ月の間に2万9086単位の大麦を受領した。クシム(署名)」という税収の記録だと言われています。

 

このように、トークンよりも、税の支払いや貸し借り、資産の所有などを記録するクレジットが歴史に先んじて登場していたのです。

 

その後のギリシャや古代中国では貴金属で鋳造した貨幣が使われるようになりました。中世の大航海時代に入ると、持ち運びが大変な貨幣はあまり使われなくなり、再び台帳や割り符などのクレジットが主流になりました。

 

その後は、トークンとクレジットを併用する時代となり、現代でも続いています。

お金の本質は「情報」

ここまでを振り返ると、お金とは「誰と誰がいくら貸し借りしているか」という履歴を表す「情報」だということがわかります。

 

たとえば、給料が銀行に振り込まれます。預金通帳には数字が記録されるだけです。支出をすべて数字上の記録だけで済ませることができれば、貨幣はいらなくなっていくわけです。実際、アメリカなどではキオスクで飲みのも一杯買うのでもクレジット決済が一般的になっていますよね。

 

話を冒頭のビットコインに戻しましょう。ビットコインは、やりとりの全てを「分散台帳」に記録しています。これまではどの時代も国家や権力者など1つの組織が記録をまとめていました。ところが、ビットコインの場合、記録が散らばっています。管理者となる人物や組織がいないのです。ひとつの国家が力を失ってもビットコイン経済が破綻することはないでしょう。国家や権力の裏付けを必要としないという点が非常に新しく、これからの経済や国家のあり方を揺るがす可能性があるのです。

 

 

参考文献:
『仮想通貨とブロックチェーン』 木内敏久著 日本経済新聞出版社
『ホモ・サピエンス全史』ユヴァル・ノア・ハラリ著 柴田裕之訳 河出書房新社

 

文/株式会社フィット「投資の窓口」編集部

2017/08/21

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