フラット化に対して何をするべきか?─『フラット化する世界』について (2)
2016/08/20
- グローバル化する社会にどのように対応するか?(その2)
こんにちは。株式会社フィット「投資の窓口」編集部です。
今回は前回に引き続き、トーマス・フリードマン著の『フラット化する世界』の解説を続けたいと思います。
(参照:トーマス・フリードマン著・伏見威蕃訳『フラット化する世界(増補改訂版)』日本経済新聞出版社・2008年)
これからの時代の必要な、仕事やビジネスの取り組み方についての考え方です。
あなたのビジネスのヒントになる部分があれば、ぜひ参考にしてみてください。
- 13億の脅威
- マイクロソフト亜州研究院という、中国で最も科学者やエンジニアが働きたいと思っている企業での話です
「おまえが中国で100万人に1人の人材だとしても、お前のようなやつは他にも1,300人いるんだ。」
人口が多いということは、本当に凄いことだと思います。
日本に100万人に1人の逸材は、120人しかいませんが、中国では、その10倍以上の人材がいます。その中には更に秀でた人間もいることでしょう。
しかし、これは考えようで、非常に優秀な人材を確保できる、あるいは優秀な人材とビジネスをすることができる可能性もあるとも言えます。
- 先頭を走る意味
- 我々は今も自転車競争の先頭を走っている。そしてあとをついてくる選手の空気抵抗を減らしてやっているが、その差はどんどん縮まっている。
- 「とてつもないイノベーション」を続けない限り、我々の生活水準は間違いなく低下する。
アメリカという国には、新しいイノベーションを作り上げる力があります。
一方、日本は、残念ながらイノベーションを起こす能力または気概に欠けていると言わざるを得ないでしょう。
アメリカはイノベーションを起こすことで、少しの差であったとしても、多くの業界で先頭を走り続けることができるのです。ビジネスの世界では、トップであることで大きな利益を生み出します。
今後は日本でも、これまで以上に独創性を尊び、イノベーションを生み出すことを意識する必要があるでしょう。
- 企業の社会的責任を果たすこと
- アメリカやヨーロッパや日本は、好きなだけエネルギーを消費して発展してきたのに、なぜ中国が消費を抑え、環境に気を配らなければならないのですか?
- 我々(先進国)に他人に説教をする資格は無い
- 貧しい人びとに魚1匹を一日の糧として与えるのではなく、一生食べていけるように魚の取り方を教えるのが最善の方法だ。
これからビジネスというのは、利益最優先だけでは継続が難しくなるかも知れません。
今後の企業活動は、社会に貢献すること、「企業の社会的責任(CSR)」がより求められることになると考えられます。
利益を上げるだけではなく、どのように社会に貢献するのか?こういう視点が、今後もっと重要視される世の中になっていくでしょう。
- 希望こそがフラット化の境目
- フラット化した世界に住む人びととそうでない人との境目は、希望の有無によって決まることが多い。
- 中国、インド、旧ソ連圏の国々の人びとにとって幸いなのは、様々な欠陥や矛盾を抱えてはいても、希望を抱いている人が何億人もいることだ。そうした人びとは、ミドルクラスになれる可能性がある。
- 不幸なことに、アフリカ、インド、中国、ラテンアメリカの農村部と、その他の発展途上国の多くの土地では、人びとは希望を抱いていない。したがって、ミドルクラスになることは望めない。
- 希望を持てない理由は二つある。病気に苦しめられているか、あるいはその国の政府が機能不全を起こしていて、未来が見えてこないことだ。
世界のフラット化は、たとえ今は貧しくても、将来に夢や希望を持つ人々には、ミドルクラスになれるチャンスをもたらします。
一方で、希望を持つことすらできず、経済成長の恩恵を受けることが難しい人々がいることも事実です。
日本は、少子高齢化が進み、税制や社会保障制度など、多くの問題が存在します。それでも、私たち日本人にはできることがたくさんあります。
ビジネスのチャンスは、本当にどこにでもあります。
自分だけにしかできないような付加価値が高い、代替不可能なビジネス・仕事を探し当てましょう。
今の時代だからこそ、自らの可能性を信じて、利他、共栄という考え方の軸をずらさず進んでいけば、大きなチャンスを掴むこともできるのです。
文/株式会社フィット「投資の窓口」編集部
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