「心のものさし」の使い方─あらかじめ「抵抗」を列挙しておこう!
2016/08/12
- 「心のものさし」とは?
こんにちは。株式会社フィット「投資の窓口」編集部です。
今回は、ベン・スイートランド氏が、著書『自己を生かす』(創元社)の中で書かれている、
「心のものさし」という考え方を紹介したいと思います。
- 「心のものさし」の3つの要素
「心のものさし」には次の3つの要素があります。
- 目標
- 抵抗
- (抵抗を乗り越えて目標達成を可能にするための)行動計画
例えば、建築家が橋を造ろうとする時には、まず造りたい橋をイメージしてデザインし、橋の設計図を作ります。これが「目標」です。
そして川底の地質や、橋を架ける場所の土や地殻の状態などを徹底的に調べ、時期による川の水の流れ方の変化、雨や台風のときの水量の増し具合など、すべての「抵抗」、それも計算して、設計図の中に反映させます。
橋の強度を上げるため、必要になる耐性や柔軟性をシミュレートし、材質や工法を選びます。大きくて重いクルマが通る場合、また地震や火災などの緊急時にも壊れたり焼けたりしないよう、あらかじめ全てを包括的に把握し、捉えた上で、安全な橋を無事に完成させるための「行動計画」を立てる訳です。
スイートランド氏が「心のものさし」と呼んでいるのは、このように橋を造る時に建築家がするような、「科学的な考え方」のことなのですね。
- あらかじめ、考えうる限りのリスクを意識的に想定しておく
何をする時に関しても「失敗してしまうとき」には、これらの3つの要素のうち、2つ目の「抵抗」ないしは 3つ目の「行動計画」の面が見落とされていることが多いのだそうです。
つまり逆に言えば、それら2つを押さえておけば、とてもしっかりとした準備が整う、という訳です。
あらかじめ、考えうる限りのリスクを意識的に想定しておけば、それが生じた時にも(自然と)注意を払うことが出来るのです。
- 最も嫌うべきは「リスク把握の甘さ」
世野いっせい さんは、著書『金持ち脳でトクする人 貧乏脳でソンする人』(PHP文庫)の中で、
(長期的に、投資家として成功するためには、)
「想定外の大儲けをすること」よりも、「想定内の赤字を出すこと」の方がむしろまだ良い、という内容のことを仰っています。
まず徹底的にリスクを「把握すること」
そしてリスクを最小限に「減らすこと」
この2つが投資をする際には、基本的な方法論になります。
特に「何が起きうるか、そして実際にその時々に、何が起きたのか が分かっている(把握できている)ということ」は、投資家として、とても大切なことなのですね。
- 一番良いのは、想定外のことが起きることすら、想定しておくこと
そしてさらに、「想定外のことが起きること」すら「想定」しておくのならば、投資というビジネスにおいて、何が起きようと常に後手に回らずに、冷静に立ち回ることができますよね。
「リスク把握」を徹底的に制することで、「投資の世界」におけるイニシアチブ(主導権)を握り、是非、臆することなく、確信を持って成功できるようになってしまいましょう。
文/株式会社フィット「投資の窓口」編集部
2016/08/12