賃貸契約における稼働率とは?入居率・空室率との違いや稼働率のポイント
2023/08/14
- 賃貸経営における稼働率とは?
賃貸経営において利益の指標となる稼働率について、正しく知っていますか?ここでは、間違いやすい入居率や空室率とともに解説します。
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〇稼働率とは
稼働率は賃貸物件を運営している総日数のうち、入居している総日数の割合のこと。所有している物件がどの程度稼働しているかを知るために重要な数値となります。稼働率は以下の計算式で求めることができます。
稼働率=所有物件の入居日数合計÷(戸数×12ヶ月)
所有物件全戸に365日入居者がいる場合、稼働率は100%になります。
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〇入居率とは
入居率はオーナーさんが所有している部屋数のうち、入居者がいる部屋の割合のことを指します。入居率は、以下の計算式で求めることが可能です。
入居率=入居部屋数÷所有部屋数×100
所有部屋数が多い場合は、空室が出ても入居率に大きな影響はありませんが、所有部屋数が少ないと、1戸の空室でも入居率に大きな影響が及びます。
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〇空室率とは
空室率は所有物件全体で、どの程度空室があるかを示す数値です。空室率は以下の計算式で求めることができます。
空室率=空室数÷所有部屋数×100
- 稼働率は賃料とのバランスが重要
稼働率は単に高ければよいというわけではありません。たとえば、稼働率を高めたいと考えるあまり、賃料を下げて入居者を入れる施策を取るような場合、トータルで手元に残るお金が少なくなってしまいます。
このため、稼働率を高く維持することばかりを考えるのではなく、賃料とのバランスが大切なのです。
- サブリースについて
稼働率について考える際、あわせてサブリースについても知っておきましょう。
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〇平均的なサブリースの料率は80~90%
サブリースの契約形態にはいくつかのパターンがありますが、「空室率に関わらず一定のサブリース料を受け取れる」という形が一般的です。このため、サブリースを検討する際は、稼働率とサブリースの利率を比較して、自分で運営するのとサブリースを利用するのとどちらがお得かを考えることが大切です。なお、サブリース料率は利用するサブリース会社や契約内容にもよりますが家賃の80~90%程度が平均的な料率となっています。
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〇稼働率80~90%未満ならサブリースのほうが利益が出るケースもある
サブリース料率が80~90%の場合、稼働率80~90%未満であれば、サブリースを利用したほうがより多くの利益が出るケースもあります。たとえば、期待できる月額家賃収入が100万円の場合、1年間の稼働率が70%だと、受け取れる家賃は100万円×12ヶ月×70%=840万円となります。一方、サブリースの料率が90%だった場合、100万円×90%×12ヶ月=1,080万円となり、サブリースを利用したほうがお得になる計算です。
このように稼働率を把握しておくと、サブリースを利用するか否かの判断など、数値を見ながら細かく検討することができます。ただし、サブリースにおける手数料支払いや管理方法などをはじめ、費用負担や契約内容についてはよく考える必要があります。
所有物件の稼働率としっかり向き合い、その稼働率に適した選択をしましょう。▼『フィット賃貸経営通信』8月号より
毎月フィットの賃貸オーナーの皆様には『フィット賃貸通信』をお送りしております。
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2023/08/14