『ウッドショック』が 賃貸経営に与える影響
2021/10/25
- 賃貸経営にも影響を及ぼしている「ウッドショック」
コロナは賃貸経営に様々な影響を及ぼしていますが、2021年1月以降より「ウッドショック」と呼ばれる木材価格の高騰が、賃貸経営へも影響を及ぼしはじめています。今後の動向も含め、整理して解説したいと思います。
「ウッドショック」が原因で、木材価格の高騰が発生し、アパート建築にも影を落としています。虫害や山火事等で原料の木材が不足している中、米国での住宅建築需要が急増したことが、「ウッドショック」の主な原因とされています。日本では2021年1月頃から輸入材の価格上昇が始まり、高騰し続けています。
- ウッドショックの影響
まず、木造賃貸住宅を新たに建築している場合、工期が遅れることが考えられます。完成引渡しの時期がずれる可能性がありますので、銀行からローンを借りている場合、建物が完成しておらず、家賃が入らないのに、返済が始まってしまう、収益化が遅れるという恐れがあります。対策としては、工期が延びた場合を想定して、ローンの返済を遅らせられることは可能かどうか、早めに金融機関に相談した方が良いと思われます。
.
.
また影響が大きいのは、建築価格の上昇です。輸入材が入ってこない影響で、外国産の木材価格が高騰するため、供給の少ない国産材の価格も上がります。価格が高くなれば買い控えが起こり、工期を守ろうとすれば高い木材を使わなければいけなくなるので、建設会社から追加工事代金を請求される可能性もあります。そもそも住宅価格が上がってしまうので、今後住宅の買い控えも起きてくると思います。また、建設会社も木材が入らないので、工事を受注したくてもできなくなる状況に陥ります。資金が回らなくなって経営が厳しくなる建築会社も出てくるでしょう。今の状況は、予測しにくい部分もありますが、コロナ禍も含め、まだ1、2年はウッドショックの影響が続く可能性があります。また、新築価格が高騰すれば中古市場に顧客が流れ、中古不動産の価格が上昇する可能性もあります。コロナ禍で、投資熱が上がっている中で、この中古の収益物件などの高騰も、一部の地域では出てきているようです。不動産投資がまだ落ちついている現状の中、今できることは現在の所有されている物件の建物対策、資産対策について見直ししてみることをお勧めします。また、時流の変化から、必ず新築建築、不動産投資などへの反動が起こる可能性もありますので、市況を見続けていく必要はあります。
.
現在、木造アパートなどの建築を企画中、建築中、また中古収益不動産購入を計画中の方で、不安な部分がある方は、客観的に状況をアドバイスさせていただきますので、お気軽にお声がけください。
.
.
▼『フィット賃貸経営通信』10月号より
毎月フィットの賃貸オーナーの皆様には『フィット賃貸通信』をお送りしております。
詳しくはこちら
2021/10/25