意外と知らない?投資とギャンブルの違いについて
2017/06/16
- 投資とギャンブルの違いとは?
こんにちは。株式会社フィット「投資の窓口」編集部です。
投資にもさまざまな種類がありますよね。
その中でも、例えば「株やFXはギャンブル性が高い」などと言われたりもします。
では、投資とギャンブルの違いとは、一体何なのでしょうか?
佐伯良隆さんの著書『知っておきたいホントに大事なお金の話』(高橋書店)では、ギャンブルを下記のように特徴づけています。
ギャンブルの特徴とは、その偶然性と、勝ち負けがはっきりしている点にあります。
勝つときも負けるときも落差が大きく、しかも勝ち負けを予測できないことです。
- 株は投資か?ギャンブルか?
では、この定義に当てはめて、ギャンブル性が高いと言われる株について考えてみましょう。
株価が上がるか下がるかは、偶然のように思われるかもしれません。
ですが、株価の上下には会社の業績や景気など、株価に影響する要素が多くあります。
このため、株価が上がるか下がるかは、まったくの偶然ではないし、ある程度の予測はつくとも言えるでしょう。
では、勝ち負けの落差についてはどうでしょうか?
前述の『知っておきたいホントに大事なお金の話』に、一年間の株価の変動幅の目安が紹介されていますので引用します。
一年間の株価の変動幅は、バブル時の例外を除き、市場平均で見れば 2〜 3割程度です。100万円分買った株が、せいぜい70万〜130万の間を上下するだけ。宝くじのような「当たれば数億、外れればゼロ」ほど大きな落差はありません。
こうしてみると、株式投資は、偶然性が低いうえ、落差もそれほど大きくないということになりますね。
株は、ギャンブルではなく「投資」だと言えそうです。
- 宝くじは投資?ギャンブル?それとも…?
では、当たれば数億円の夢が見られる、宝くじはどうでしょうか?
日本宝くじ協会の調べでは、宝くじの購入経験者は、推定 8000万人で、日本人のおよそ 4人に 3人は買ったことがある計算になるのだとか!(『知っておきたいホントに大事なお金の話』より)
わたしたち日本人は、宝くじが大好きな国民だと言えそうですね。
では、先ほどの定義に当てはめて考えてみましょう。
まず、宝くじに当たるかどうかは、まったくの偶然ですよね。
そして、当たれば数億、外れればゼロになってしまいますから、途方もなく大きな落差です。
これでは、れっきとしたギャンブルだと言えそうですね。
それでも、小額で大きな夢を買えるのだから、ローリスク・ハイリターン投資だと思っておきたいところでしょうか…?
実は、宝くじは、 買えば買うほどお金を失う仕組みになっているのだそうです。
数千円で買え、当たれば数億円ももらえるのだから、宝くじは「ローリスク・ハイリターン」と思われるかもしれません。
しかし、期待収益率の考え方を知っていれば、それが間違っていることに気づけます。
以下は、ある年のサマージャンボ宝くじの期待収益を算出したものです。
(図略)
一枚300円で買った宝くじから、得られる期待収益は135円です。つまり、買った瞬間に、1枚ごとに165円を失っている(主催者側に取られている)計算になります。枚数を買うほど当たる確率は上がりますが、買えば買うほどお金を失う仕組みです。
(『知っておきたいホントに大事なお金の話』より)
これをもし投資として考えるとすると、ローリスク・ハイリターンどころか、ハイリスク・マイナスリターンということになりますね。
なぜそんなことになるかと言うと、宝くじは、必ず主催側が儲かるようになっているからなのです。
宝くじ公式サイト「収益金の使い道と社会貢献広報」 によると、宝くじの売り上げのうち、当選金として支払われるのは、約47%にとどまり、売り上げの約 40%は公共事業などに使われます。
公共事業の財源となっているから、主催者側が儲かる必要があるのです。
宝くじを購入するなら、夢を買うついでに寄付をしているのだと思っておいたほうがよさそうですね。
期待収益率については、下記の記事でも説明していますのでご覧ください。
参考記事:お金の増やし方の基礎になる、リスクとリターンの正しい理解
出典:『知っておきたいホントに大事なお金の話』(佐伯良隆 著/高橋書店)
文/株式会社フィット「投資の窓口」編集部
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リスクとリターン2017/06/16