そもそも「経済」って何だろう?幸せな経済活動ってどんなもの?
2017/06/23
- そもそも「経済」とは何だろう?
こんにちは。株式会社フィット「投資の窓口」編集部です。
「経済」という言葉は、わたしたちが普段から当たり前に使っている言葉ですよね。
では、「経済とはどういう意味ですか?」と聞かれたら、なんと答えるでしょうか?
「経済」という言葉の意味を検索すると、このように書かれています。
経済(けいざい)
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《名》人間の生活に必要な物を生産・分配・消費する行為についての、一切の社会的関係。転じて、金銭のやりくり。
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《名ノナ》費用・手間がかからないこと。「―な品」「時間の―を図る」。費用をかけないこと。倹約。
(Googleより)
意味をわかっているつもりでも、意外と正しく答えるのは難しいのではないでしょうか?
今日は「そもそも経済とは何か?」ということについて考えてみましょう。
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- 「経済」という言葉の由来
「経済」は、英語では「economy」です。
economy という言葉は、「家政術」を意味する古典ギリシャ語に由来するのだとか。
もともとは、「家庭における財のやりくり」を示す言葉だったのですね。
一方、漢語では「経済」は「経世済民」の略語です。
この言葉は「世の中を治め、人民を救う」という意味です。
英語の「economy」は、個(家庭)の単位から、やがて国家へ拡大していったもの。
漢語の「経済」は、社会全体をよく統治する政治から生まれたもの。
同じ意味で使われていますが、英語の「economy」と漢語の「経済」は、まったく正反対の立ち位置から生まれた言葉だとも言えそうです。
ひょっとすると、資本主義と社会主義、それぞれが生まれた背景にも、このような違いが影響していたのかもしれませんね。
- 「経済」の本質とは何か?
普段わたしたちが「経済」と言う時には、英語の「economy」に近い意味で使うことが多いのではないでしょうか。
漢語の「経済」に込められた「人民を救う」という理想は、現代社会で実現しているとは言い難いように思うのです。
では、そもそも、経済の本質とは何なのでしょう?
エコノミストである浜矩子さんの著書に、『お金さえあればいい? 子どもと考える経済のはなし』(クレヨンハウス)という、子どもに向けた経済哲学の絵本があります。
この本で、浜矩子さんは「経済は 〈人間の営み〉 そのもの」だとして、「ひととひととが、出会いを通じてお互いをしあわせにする。そのために経済活動がある。そう考えてもらえればいいなと思います。」と言っています。
まず大前提として、ひとがいるところに経済活動がある。
そして、ひとは経済を通じてひとと結びついている。
つまり、ひととひととの出会いの場をつくるのが、経済活動の役割なのだから、そこからは幸せが生まれてこなくてはいけない、と言うのです。
そして、こうも言っています。
ひとをしあわせにできないなら、それは 〈ニセの経済活動〉 です。
では、ひとを幸せにする本物の経済活動とはどんなものでしょうか?
浜矩子さんは、孔子の『論語』を引き合いに出して、こう説明しています。
「心の欲する所に従いて矩を踰えず」
「心の欲する所に従」うとは、「自分のやりたいことを、やりたいように追求する」ということ。
「矩を踰えず」とは、「社会の決まりごとを破らない。ひととして大事な一線を越えない」ということ。
つまり、自分の思いを実現することと、自分以外のひとを大事にすることのバランスを、うまく取れるひとたちが行うのが、経済活動だと言うことができると思います。
そして、もうひとつ、大切なことを書いています。
一部のひとだけが豊かでしあわせで、そのほかのひとがふしあわせな社会をつくるものは経済活動とは呼べません。
このとき、「みんながしあわせ」でなくてはなりませんが、「みんなが同じ」でなければいけないということは、絶対にありません。
この本では、「みんな違っていい」という多様性を前提に、本当の経済とはなにか、下記のようにまとめています。
それぞれがのびのびと自分らしくハッピーになれること。
そういう特性の違うひと同士の間に、
ハッピーな分かち合いが生まれるのが、
本当の〈経済〉です。
「経済」という言葉には、なんとなく難しそうなイメージを持っている人もいるかもしれませんが、このように考えると「経済」とは、わたしたちが幸せに暮らすための活動であって、けっして難しいものではないとわかりますよね。
特に「多様性を前提」にすることや「ハッピーな分かち合い」を生むことは、これからの経済を考える時に、必ず考えるべきキーワードになってくるでしょう。
出典:『お金さえあればいい? 子どもと考える経済のはなし』(浜矩子 著/クレヨンハウス)
文/株式会社フィット「投資の窓口」編集部
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お金のリテラシー2017/06/23