お金の話がタブーと言われる背景にある「清貧」の思想を見直してみよう
2017/04/21
- 日本にはお金の話をすることに抵抗がある人が多い。その背景にあるのは清貧思想
こんにちは。株式会社フィット「投資の窓口」編集部です。
現代の日本においても、お金の話をすることに抵抗がある人が多い背景には、昔から「清貧」という考え方が根強いことがあると考えられますね。
この「清貧」という言葉。字面から受ける印象では、「清らかさ」と「貧しさ」とがあたかもリンクして結びついているかのように見えてしまいませんか?
そこから転じて、
「お金というものは汚いものだ」
「表立ってお金儲けの話をすることは卑しくて、恥ずべきことだ」
そして
「お金などはない方が、余計な気の迷いや間違った奢りを持たずに人は清く在ることができるものだ」
という考えが生じてしまったのではないでしょうか?
様々な俗説の行き交う中で、いつのまにか、人としての清かさや尊さと、持っているお金の量が、私たちの中で歪んだ形でリンクしてしまい、お金について話すことすらが、「タブー」になってしまったのかもしれませんね。
- 「清貧」という言葉の本当の意味、知ってますか?
改めて「清貧」という言葉の意味を確認してみましょう。
Googleでは
「無理に富を求めようとはせず、行いが清らかで貧しい生活に安んじていること。」
と定義しています。
「安んじる」というのは、その状態で満足する、または甘んじるということですね。
つまり、富を追うのではなく「清らかな行い」を選択した結果として「貧しい生活」となったとしても、それを受け入れているということですよね。
「清貧」の本来の意味は、
「清く、正しい生活」=「貧しい生活」ではないのです。
- 「お金を持っていると嫌われる」の嘘
「あの人が感じ悪くて人から嫌われているのは、お金を沢山持っているせいだ」とか、
「あの人は質素で好感が持てる。やっぱりお金はあまり持たない方が人間というものは清く在れるものだよな」等々…。
お金に関するこのような声、誰もが耳にしたことがありますよね。
ですが、本当にそうなのか?と言われると、素晴らしい人格者のお金持ちは、それこそ星の数ほどいらっしゃいます。
その事実を前に考えれば、お金をたくさん持っていることと、人として清い、あるいは行いや在り方が素敵であることとの間に、ネガティブな相関関係があるとは思えません。
- お金が貯まることと、徳が貯まることは全く別の話
『あの世を味方につける生き方』の著者、美鈴さんは、人間の徳のプラスマイナスを示す口座のようなものを「カルマ銀行」と名付けて、ご自身が子供の頃からイメージしてきたそうです。
ここではその「カルマ銀行」という言葉を拝借して、「日々の在り方によって貯まる『徳の銀行』のようなもの」だと捉えて話を進めたいと思います。
金銭的な自由は、私たちを自由にしてくれますよね。
そして、安心も与えてくれます。
だからこそ、わたしたちはお金を貯めるわけです。
(清貧思想と貯金好きは、矛盾しますが、ひとまず先へ進めましょう)
さて、ここで稼いでいる額や持っている資産の額と、私たちの存在価値や人としての尊さは、少しも関係のない、別のものです。
つまり、銀行の預金残高と、カルマ銀行の残高は全くの別モノということ。
まずはこれらはハッキリ分けておきましょう。
人間はお金があるから偉いわけでもなければ、また卑しいわけでもありません。
またお金を持っていないから清いわけでもなければ、逆にちっぽけな存在であるわけでもありません。
人間の「尊さ」と「お金の量という尺度」とは整理してみれば、本当は一切、リンクなどしていないのです。
例えるなら「猫」の「可愛らしさ」と「漢字の画数の多さ」ほどに、おのおの別の事柄であり、それぞれ異なる座標上における全く別の尺度です。
腰を据えて考えてみれば、すんなり分かることですが、長年お金の話をタブーにしてきたせいで、正面から見据えることをせず、「清貧」が迷いを招く迷信に過ぎないことが見えなかったのかもしれませんね。
- 遠慮なくお金について大いに話し、金銭的に自由になる方法を学ぼう
成功哲学の権威、ジョセフ・マーフィー博士は「あなたが金銭的に豊かでなければ、幸福な人生を送ることは不可能です。」と言っています。
そして、お金の話を抜きに人生問題を論じることは、ほとんどナンセンスなものでしかない、という見解を終始貫いています。
お金は私たちを自由にしてくれる、とても便利なツール(道具)です。
そして「自由であること」は、紛れもなく、人間にとって良いことであり、幸福の前提となるものです。
清く正しく在りながら、お金を持って自由でいることは両立することです。
後ろめたい気持ちなど持たず、遠慮なくお金について大いに話し、金銭的に自由になる方法について学びましょう。
そして、この人生という舞台で、好きなように、それぞれに素晴らしい生き方を目指して、存分に生きたいですね。
文/株式会社フィット「投資の窓口」編集部
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お金のリテラシー2017/04/21