「思考は現実化する」その実際のプロセスは?
2016/03/15
- 成功哲学の始祖、ナポレオン・ヒルの『思考は現実化する』
こんにちは。株式会社フィット「投資の窓口」編集部です。
「思考は現実化する」という言葉を、一度は見聞きしたことがあるのではないでしょうか。
「成功哲学の始祖」と呼ばれるナポレオン・ヒルの言葉として、よく知られています。これはナポレオン・ヒルの著書のタイトルで、1937年に出版されて以来『思考は現実化する』は全世界で累計7000万部以上を売り上げています。
ナポレオン・ヒルが駆け出しの新聞記者だった頃に、世界の鉄鋼王アンドリュー・カーネギーと出会い、「成功哲学を体系化してほしい」と頼まれたことから、この本が生まれました。
そして自分自身も、ウッドロー・ウィルスン大統領の広報担当補佐官、フランクリン・ルーズベルト大統領の顧問官を務めるほどになり、大富豪の一人としても知られるようになっていったのです。
ちなみに『思考は現実化する』の原題は『Think and Grow Rich』です。「思考は現実化する」というインパクトのあるフレーズがあまりに有名になりましたが、「頭を使って豊かになれ」の方が本来の意味には近いですね。
- 「頭で考えたことが実際に起きる」のではない
ひとり歩きしている感もある「思考は現実化する」という言葉ですが、その真意を理解している人は、そう多くはないでしょう。
おそらく多くの人が「頭で考えたことが実際に起きる」という意味だと受け取っていると思います。
次に浮かぶのは、「そんなわけがない」「信じられない」という思いでしょうね。
実際、「お金持ちになる」と考えただけでお金持ちになれるわけではありませんよね。
それでも「思考は現実化する」と言われ、成功哲学として多大な影響を与え続けていることには理由があるのです。
- 「思考が現実化する」実際のプロセス
思考が現実化するプロセスは、下記のようにも言われています。
思考から感情が生まれる。
感情から行動が生まれる。
行動から結果が生まれる。
出典:『お金を引き寄せる「富裕の法則」―ミリオネア・マインド 大金持ちになれる人』ハーブ・エッカー(著)、本田 健(訳)
つまり、思考から生まれた「感情」をエネルギーにして「行動」を起こす。
その結果として、現実になるということなのです。
現在の行動が、未来の結果の原因になる。
原因があるから結果があるという、とてもシンプルな話です。
こう考えれば、「思考が現実化する」のは、当たり前のことなのだとよくわかります。
「行動」のプロセスを抜きにして「思考が現実化する」と言葉通りに受け取ってしまうから、絵空事のように思えてしまうのですね。
- 「思考が現実化する」のを邪魔するもの
では、「思考が現実化する」のが当たり前のことなら、
なぜ誰もが願ったままの人生を生きられないのでしょうか?
「思考」は、自分自身の経験から生まれるものです。
脳内のコンピューターが、育った環境、受けてきた教育、さまざまな経験、それらすべてによってプログラミングされていると考えればわかりやすいでしょう。だから人それぞれに異なった考えを持つのです。
このプログラムは、その人らしい個性をつくっているようにも見えますが、願ったままの人生を生きるのを邪魔することがあるのですね。
たとえば「お金持ちになる」と考えたとしましょう。
お金持ちになりたいと願いながら、両親の教えで「清貧こそ美徳だ」という観念を持っていたら、どうでしょうか?
頭でいくら「お金持ちになりたい」と考えても、内心では「清貧でなくてはいけない」と思っていますから、思考は綱引きの状態になります。さまざまな感情が引き合ってしまうので、なかなか行動に移すことができません。この状態では、なにかと言い訳をつくって行動を先延ばしにしてしまうようなことが起こります。
一方、「お金持ちになる」と考えて心の底からワクワクできる人は、ワクワクした感情を、そのまま行動のエネルギーにすることができるのです。
どちらがたやすく「思考を現実化」できるか、わかりますよね。
願いがあるのになかなか行動が起こせない人、なかなか実現できない人は、その邪魔をしているプログラムが自分の中にないかを確認することが、現実化の近道になるかもしれませんね。
文/株式会社フィット「投資の窓口」編集部
2016/03/15