古家再生不動産投資─ボロ家から不動産投資を始めよう!
2017/07/24
- 不動産投資には二つのスタイルがある
こんにちは。株式会社フィット「投資の窓口」編集部です。
不動産投資をこれから始めたいと考えている人にとって、どういう不動産投資のスタイルを選ぶかというのは大変重要です。
セミナーに参加したり、書籍を読んだり、色々と情報を収集していても、実際にはどうしたら良いか分からない部分が多いのではないでしょうか?
ある投資家は、融資を受けてマンションを買いましょうと言う。また別の投資家は、安い物件を現金で買って自分でリフォームすれば、高利回りで成功できると言う。
一体、どちらが正解なの?と悩んでしまいますよね。
このように全く異なるアドバイスをする人がいるのはなぜかというと、不動産投資には、大きく分けて次の二つの投資スタイルがあるからなのです。
- 金融機関から融資を受けられる物件(アパート・マンション)を購入し、できる限り自己資本比率を少なく、レバレッジを効かせてキャッシュを得る手法
- 非常に安い価格で投資物件を購入して、できるだけコストを抑えてリフォームを行い高利回りで貸す手法
まずはそれぞれの手法を理解し、自分がどちらのスタイルで不動産投資をしていくのかを決める必要があります。
今回は、後者の「非常に安い価格で投資物件を購入して、できるだけコストを抑えてリフォームを行い高利回りで貸す手法」に焦点を当てて、解説したいと思います。
- できるだけコストを抑えて行う、古家再生不動産投資
それでは、具体的な事例を考えてみましょう。
非常に安い価格で買える投資物件。それはズバリ、築40年以上・ゴミだらけ・見た目がボロボロの古家です。
広さは、50〜60平米以上、小さめの2DK〜3DKであれば、まずは問題ないでしょう。
こういった物件を、場所にもよりますが、200万円〜300万円以下で買い付けし、買値と同額レベルのリフォームをして賃貸に出すというのが、その手法です。
ゴミだらけというのは、必ずしも「ゴミ屋敷」である必要はなく、前に住んでいた方が、そのままの状態で退去しているようなケースも可です。
これは、日用品やゴミを買い手が片付けることで、購入価格をさらに値切れる可能性が高くなるからです。
イメージとしては、下記のような感じになります。
〈事例〉
物件価格 220万円 + リフォーム代 220万円 + 諸経費80万円
=合計 520万円
家賃 5万円で賃貸に出す
利回り 11.54%
非常に安く買える物件というのは、立地条件や再建築不可・借地・事件もの・スラム化といった「流動性や運営に少なからず問題を抱えた物件」である可能性がありますが、この投資スタイルの成功のポイントは「なるべく安く=高利回りで買う」という点にあります。
他の投資家が難色を示す物件にこそ、成功への道があるというスタイルなのです。
- 古家再生不動産投資のデメリットをメリットに代える
それでは、まずこの投資スタイルのデメリットを、確認しましょう。
古家再生不動産投資のデメリット
- 物件取得のハードルが高い(物件の見極めが難しい)
- 立地が悪い可能性が高い
- 賃料水準が低い場合が多い。
- 設備投資、修繕費など運営に必要な費用が多くなり、収入に対する比率が高くなる傾向にある。
- 流動性が低く、売却が思うようにいかない場合がある。
- 出口戦略が取りづらくなる。
- 一般的に融資を受けづらく、投資に対する自己資金の割合が大きくなる。
このように色々とありますが、逆に言えば、これらのデメリットさえリカバーできれば、古家再生不動産投資は、メリットがあるということです。
コストを抑えた自己資金での投資は、何らかの事情で、融資を受けられない人でも、不動産投資が可能ということになります。
このような融資がつきにくいの物件の場合には、自己資金で物件の購入を行い、リフォーム代を融資で賄うという方法もあります。
日本政策金融公庫では、「新規開業資金」という融資があり、これを利用すれば、7200万円まで最長20年まで借りることができます(諸条件あり)。
古家も、物件選びとリフォームがうまくいけば、優良な戸建物件となります。
税率が下がる5年後(長期譲渡所得)に売却することによって、インカム・ゲインもキャピタル・ゲインも得ることのできる、素晴らしい不動産投資になり得る可能性を秘めた投資スタイルなのです。
- 古家再生不動産投資のポイントは、手をかけすぎないこと
この投資手法のポイントを要約すると、「リフォーム」にお金と手をかけすぎないこと、あらかじめ物件の購入限度額を決めておくこと。
つまり「お金の管理」が、非常に大切です。
古家ですので、リフォームをしようと思えば、際限なくリフォームが必要となり、どんどん費用がかさんでしまいます。
あらかじめリフォームの方針を決め、それ以上は費用をかけないことを徹底しないといけません。
具体的には下記の点を注意しましょう。
古家再生不動産投資のリフォーム方針(例)
- 物件の外回りの塗装は、前面だけにする(見えない部分はしない)
- 水回りは最新設備に変更する
- その他の部分は、現状回復程度のリフォームに留める
- 小物などの飾り付けをして、おしゃれ感を演出する
また、物件の買い付け価格の計算式は、下記を参考にしてください。
買い付け価格の計算
「想定家賃 × 12ヶ月 ÷ 期待利回り − リフォームコスト = 物件買付価格」
例)
5万円 × 12ヶ月 ÷ 10% − 250万 = 350万円
想定する家賃が5万円として、利回りは10%以上欲しいとします。
リフォーム費用が250万円で収まるのであれば、物件取得にかかる費用は諸経費を含めて350万円以内に収めないといけないということになります。
そのためには、物件の内見時にリフォームコストが想定できる必要があります。
同時に、その地域の家賃や売買相場の下調べも十分にしておきましょう。
その上で、内見時に即座に判断して、買い付け価格を伝えられるかどうかが買い付け成功のポイントとなります。
また、賃貸に出す際の管理ですが、このような物件は、家賃が安くなる場合が多いので、管理会社に手数料を払ってまで管理を委託すると、キャッシュフローが出ない可能性があります。
管理会社に業務委託をするのではなく、自主管理できるノウハウが必要になる場合があるため、その点にも注意が必要です。
これらの点を考慮すると「非常に安い価格で投資物件を購入して、できるだけコストを抑えてリフォームを行い高利回りで貸す手法」は、正しいノウハウさえ取得していれば、失敗する確率が抑えられる投資スタイルだと言えます。
これから不動産投資を始めようと考えている方にとっては、不動産投資のノウハウが実践の中で得られ、魅力のある投資スタイルなのではないでしょうか。
文/株式会社フィット「投資の窓口」編集部
2017/07/24