働く女性を応援する知恵シリーズ (1)「日本で女性が働くということ」
2016/08/04
- 女性の7割が非正規雇用者という現状
こんにちは。株式会社フィット「投資の窓口」編集部です。
現在、日本の労働者の中での非正規雇用者の割合は4割近くになっています。
そして女性に限って言うと、なんと7割が非正規雇用者です。
(※総務省統計局2014年のデータより)
男女雇用均等法が施行されていますが、現状は、圧倒的に女性の方が働く上で不利な状況に置かれていると言ってもいいかもしれません。
- 口先だけの日本の平等
実際には、さらに厳しい現実があります。
日本の会社で女性が働くということは、非常に限られた働き方しかなく、集約すれば、次の2つのような選択肢しか用意されていないのです。
そして、どちらかの選択肢を選ばなければならない時期が来ます。
- 非正規雇用の労働者として働く
- 正規雇用の社員として、総合職で徹底的に働く
まず、(1)の非正規雇用について。
非正規雇用には大きく分けて、派遣社員と契約社員があります。
派遣社員の場合、一定期間の契約が満了すると、同じ職場で継続して仕事をする場合もありますが、別の職場に移り、大きく仕事の内容が変わることもあります。
どの職場に行っても、責任のある仕事を任されることは少なく、キャリアアップが図れない状態で、年齢だけを重ねることになります。
契約社員の場合、基本的に同じ会社で働くことになりますが、正規雇用と違い、契約期間付きの契約です。
どちらの場合も、契約期間終了と同時に雇い止めになり、次の職場が見つからない、というリスクがあります。
そして、いったん非正規雇用で働くようになると、そこから抜け出して正規雇用になるのが、とても難しいのです。
運良く(2)の正社員として、総合職で働く場合でも、女性のキャリアはなかなか大変です。
女性が結婚する、イコール寿退社という会社もいまだに存在します。
そのため、結婚を諦めて生涯独身を貫く。
こういうケースもあるのではないでしょうか。
たとえ結婚できたとしても、子供を持つことを我慢している人は多いでしょう。
妊娠や出産を機に、退職を迫られる例は多々あります。出産を機にやむを得ず離職をした場合、育児が落ち着いてから、また同じような仕事につくには、いくつものハードルがあります。
出産後に働こうとした場合、子供の面倒を見てくれる両親が近隣にいれば良いですが、それはなかなかレアなケースでしょう。
公立や私立の認可保育園に入ることができれば良いですが、競争率が高い地域も多いので、もし落ちてしまえば、保育料が高い認可外保育園に預けるしかありません。
そこまでして子どもを預けても、夫が協力してくれなければ、保育園のお迎えの時間までには毎日帰らなければなりませんし、子どもが急に熱を出したら、休むか早退しなければなりません。
職種や条件にもよりますが、フルタイムで働くのは、かなり難しいと言えるのではないでしょうか。
フルタイム以外の選択肢は、時短勤務や在宅勤務ですが、導入している会社はまだまだ少ないです。
結果選択肢は非常に限られ、女性は追い詰められていくことになります。
近年は、産休や育休を導入する会社も増えましたが、大企業が中心で、制度自体がない会社も少なくありません。
仮に育休や産休制度があったとしても、利用すると、社内での評価・査定が下がる場合もあるようです。
正当な権利なのに、行使をすることで査定が下がることがある。
これが日本の現実なのです。
- 敗者復活できない日本の社会
日本は、一度、経済や社会活動の主流から外れた場合、元の生活スタイルやそのレベルに戻ることが非常に難しいといわれています。
仮に主流から外れた場合は、大半の人は、結局、諦めて受け入れてしまう。
女性が結婚し、妊娠をした時、出産・育児のために仕事を離れることになっても、諦めて納得してしまう。
もっと言うと、それが常識だと思い、チャレンジさえしなくなります。
でもこれでは本当にもったいないと思いませんか?
せっかく優秀な労働力である女性が、人生の節目を機に、活躍の場を失う。
それは一時的には致し方ないこととしても、また能力を活かす場があってもいいのではないでしょうか?
これは、日本という国や社会が、女性の活用方法を間違っているのです。
日本という国が成長期を終え、成熟期に入り、更には少子高齢化が進む中、労働力自体が、圧倒的に不足していきます。
我々がこのことにもっと危機感を持ち、更には国が次に成長をするプランを描くために、今の仕組みや社会を変えていく必要があります。
女性がもっと平等に活躍できる場を作るということは、日本全体、ひいてはこれからの世界に必要なのではないでしょうか?
- 「働く女性を応援する知恵」シリーズ
このコラムでは、働く日本女性に、もっと自由で働きやすい社会を実現する為のさまざまな知恵や考え方を、シリーズ化してお届けしたいと思います。
これから続くコラムをどうぞ楽しみにしていて下さい。
文/株式会社フィット「投資の窓口」編集部
2016/08/04