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不動産投資をする上で考えておきたいリスク「事故物件」について

2016/08/06

不動産投資で、できれば経験したくないリスク

こんにちは。株式会社フィット「投資の窓口」編集部です。

 

不動産投資をする上で、様々なリスクはありますが、これだけは出来たら経験したくないというリスクもあります。

 

入居者の夜逃げ、火事、自然災害、これらも発生したら大変ですが、やはり入居者が亡くなること、更に言えば自殺や殺人事件などで亡くなることがあれば、かなりのダメージを受けることになるのではないでしょうか?

 

逆に物件を購入する時に、知らずに「殺人事件等のあった不動産」を購入してしまったら、どうしますか?

 

このような不動産物件は、いわゆる「事故物件」と称され、値段が非常に安く取引されたり、次の買い手が見つからないといったこともあります。

 

ちなみに不動産業界で、「事故物件」と言われるものは、住宅ローンや所有している会社の倒産などを売却理由としての金融事故を含める場合もありますが、こと売買仲介においては、建物の敷地内(ベランダ内、庭先、倉庫、敷地内の車中など)で発生した、自殺、他殺、不審死、事故死など、人の死亡に関する事件があった不動産のことを「事故物件」と言います。

 

(ちなみに、病死などで亡くなった場合は、「事故物件」とはなりません。)

殺人事件が起きた物件の購入

2016年5日17日、千葉市が「殺人事件が起きた物件」として公売にかけた10LDKの豪邸が、1111万1100円で落札されたことがニュースになりました。

 

この豪邸を落札した不動産業(不動産競売流通協会会員)の男性は、「相場は5千万円ぐらい」と評価し、今後の用途として、「シェアハウスやセカンドハウス、セミナーなど特定の人が利用するようなもの、東京五輪に向けた宿泊所も考えている」と話しています。

(参照:千葉日報 2016年5月17日付

 

この場合は、「事故物件」ということを購入者が納得しながら安く購入し、用途を限定しながら運用していくとのことなので、問題はありません。

 

しかし、もし不動産投資をしているあなたが、知らず(知らされず)に「殺人事件等のあった事故物件」を購入してしまった場合は、どうすれば良いのでしょうか?

 

物件を購入する際に、「殺人事件等のあった不動産」ということを全く知らされず、購入してしまった場合は、売主に対する契約解除請求及び損害賠償請求、宅地建物取引業者に対する損害賠償請求等が、可能性としては挙げられます。

 

ここで可能性として考えられる法的な根拠ですが、売主に対して契約解除及び損害賠償請求可能な根拠として、民法566条(地上権等がある場合等における売主の担保責任)・570条(売主の瑕疵担保責任)の「瑕疵(かし)」によるものになります。

 

「瑕疵」というのは、いわゆる欠陥・欠点のこと。

 

物件を売買契約する際は、売主にしか分からない事実を買主に情報提供する必要があります。

 

「瑕疵」について、売主が故意に情報を隠したり、買主が知らずに購入した場合は、売主に瑕疵担保責任を追及できることになっています。

 

また「瑕疵」というのは、雨漏りやシロアリ被害等の「物理的瑕疵」だけではなく、自殺や殺人事件のあった事実等の「心理的瑕疵(心理的な面において住み心地を欠く)」等も該当するとされています。

 

売買時には建物が壊され更地になっていた場所で、20年以上前に存在した土地上の建物内の自殺に関しての説明が無かった事実に対して、不法行為にあたるとした判例 があります。(高松高裁:平成26年6月19日判決)

 

ただし、この「心理的瑕疵」というのは、非常に主観的な事情に左右されることなので、存在が明らかである「物理的瑕疵」と違い、「心理的瑕疵」は事象が「瑕疵」に該当するかどうかについての明確な基準がなく、事件や事故からの経過年数等によって「瑕疵」が否認された判例も、過去にはあります。

 

判例からも分かるように、ケースバイケースなので、事案によっては「心理的瑕疵がある」と判断されない場合もことを記憶しておかないといけません。

もし知らずに「事故物件」を購入してしまった場合は?

宅地建物取引業者は、買主に対して「重要事項の説明」(宅地建物取引業法第35条)が義務付けられています。

 

また、宅地建物取引業法第47条においては、宅地建物取引業者の相手方等の判断に「重要な影響を及ぼすこととなるものについて故意に事実を告げず、または不実のことを告げる行為は禁止」になっています。

 

つまり、宅地建物取引業者は、買主に対して殺人事件等があった場合には、その事実を説明する義務があるということです。

 

ただ、不動産会社側の物件調査や説明義務としては、7年前後の調査・説明義務が目安とされていて、それ以前の調査についての義務はありません。

 

しかも、売り主が、この物件は、「事故物件」であると認識がない場合もあります。

 

また、不動産仲介会社はあくまで媒介業務が仕事ですので、物件の引渡後のトラブルは、「当事者同士で解決して下さい」と関与しない会社もあります。

 

付け加えて言えば、「心理的瑕疵」による損害賠償も、それほど取れないというのが実情のようです。

 

例えば、売買の約8年前に発生した殺人事件現場の土地を売買した際の判例で、告知せず売却された為、後から損害賠償を訴えられましたが、裁判の結果は、「付近住民の記憶に少なからず残っているため、売買価格の5%(75万円)の減額が命じられた」とのことでした。(大阪高裁判平成18年12月19日)

 

75万円の損害賠償の為に、裁判を起こすのも割に合わないのかも知れません。

 

一番いいのは、「事故物件」を買いたくないのであれば、買う前に徹底的に調査すること。

 

その物件の近所の住んでいる人に聞くこと、仲介している不動産会社にしつこく確認することで、ある程度は未然に防止ができるかと思われます。

 

それでも、もし「殺人事件等のあった不動産」ということを知らされずに購入してしまった場合は、各都道府県の宅地建物取引業を管轄する「相談窓口」や、一般財団法人不動産適正取引推進機構、独立行政法人国民生活センター、法律の専門家である弁護士に相談することを、強くおすすめします。

 

 

文/株式会社フィット「投資の窓口」編集部

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事故物件

2016/08/06

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