~不動産の表示に関する公正競争規約が改正!~強化される規定 緩和される規定
2023/03/13
- 不動産取引における公正競争規約とは?改正されたのはいつ?
不動産取引における公正競争規約は不動産業界が自主的に定めた、不動産広告に関するルールです。景品法の規定に基づき公正取引委員会の認定を受けており、違反者には調査や警告・違約金が課される可能性があります。不動産取引における公正競争規約は定期的に改正されており、直近では令和3年10月に改正規約が定められ、令和4年9月1日に施行されています。
- 強化される規定
今回の改正では以下のポイントが強化されています。
距離や所要時間の記載に関して
不動産の広告等に記載する物件までの距離や所要時間に関しては、以下のような改正がなされています。
・ 最も遠い距離の記載「〇〇駅から徒歩2分から5分」
・朝の通勤ラッシュ時の所要時間を記載する(平常時の併記可能) 例:A駅からB駅まで通勤快速で35分※平常時は25分
・ 乗り換えの明示と乗り換えに要する概ねの時間を所要時間に含める
例:A駅からC駅まで30分※B駅で○○線に乗り換え※所要時間には乗換え、待ち時間含む
・建物の出入り口を起点とすること
「物件から駅に向かう」所要時間とする
特定事項の明示義務に関して
・“がけ”規制に該当するときはその旨の記載
例:「本物件は擁壁に覆われていない“がけ”下にあり、建築する際は建物の主要構造部をRC造にする必要があります」
追加された事項
・インターネット広告の表示事項に入居可能時期の記載
- 緩和される規定
一方、緩和される規定には以下のようなものがあります。
物件名称の使用基準に関して
- 海(海岸)や湖沼、河川から直線で300m以内にあればこれらの名称を使用できる
- 街道から直線で50m以内であればこれらの名称を使用できる※従来は物件が面しているときのみ
未完成物件の外観写真に関して
- 建物が未完成物件の場合、以下の条件に該当すれば他の建物の外観写真を表示できる
1.施工者が過去に施工した建物であること
2.構造、階数、仕様が同一であること
3.規模、形状、色等が類似していること
※当該写真を大きく掲載する等取引する建物であると
誤認されるおそれのある表示をしてはなりません。
公共施設や商業施設への所要時間に関して
- 「徒歩所要時間」の表示も認める
例: 「〇〇スーパーまで徒歩3分」なお、従来の道路距離での記載や徒歩との併記でも問題ありません。
二重価格表示に関して
二重価格表示とは値下げ前の価格と値下げ後の価格を併記することで、以下のように規定が変更されています。
- 過去の販売価格の公表日と値下げした日を明示
- 価格は値下げの直前の価格で過去に2ヶ月以上にわたり公表された価格であること
- 物件の価値に同一性が認められること
なお、二重価格表示は販売価格のみであり、賃貸物件の賃料では比較表示できません。
予告広告やシリーズ広告できる物件に関して
•予告広告やシリーズ広告が実施できる物件種別に「一棟リノベーションマンション」を新たに追加
以上のように細かな改定が多いため、広告を掲示する際は変更内容をしっかりと確認しておきましょう。
▼『フィット賃貸経営通信』3月号より
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2023/03/13