不動産経営とキャッシュフローについて、絶対に知っておくべきこと!
2016/09/05
- 夢の家賃収入!だけど、使うのはちょっと待って…
こんにちは。株式会社フィット「投資の窓口」編集部です。
「不動産を持って、家賃収入がバンバン入ってくるようになるのが夢なのです。」
そう思って、この記事を読んでくださる方も多いでしょう。
会社勤めで得る収入の他にも収入源を得ることの重要性は、これまでにもお伝えしてきました。
しかし、家賃×戸数(部屋数)=手元に残るお金(キャッシュフロー)ではないことを、今回は学びたいと思います。
不動産経営におけるキャッシュフローとは、実際に入ってきた家賃から、ローン返済や賃貸管理費、税金、火災保険料などの経費を差し引いて残る利益のこととなります。
つまり、家賃収入という売上から、不動産経営をするのに必要な経費を引いた残りの利益が、キャッシュフローになります。
- 利回りとキャッシュフローは違う
まず、不動産経営でよく使われる「利回り」について、簡単に説明します。
この「利回り」における想定家賃収入の計算は、「募集家賃×部屋数」で算出されます。
つまり、設定した家賃で1年間ずっと満室だった場合の「最大家賃」です。
しかし実際には、募集した家賃で入居者が決まるとは限らず、多少の値引きがあったり、実際には、空室があったりで、「最大家賃」の売上げが上がることは稀です。
また、全額自己資金で不動産を購入しない限りは、ローンの返済が発生します。
賃貸管理費や税金、火災保険料などの運営する上で必要な経費も差し引く必要があります。
企業経営において、売り上げよりも粗利益や純利益が重視されるように、不動産経営でも、いかにこのキャッシュフローの金額を増やすかが、非常に重要となります。
- 必ず知っておきたい、税金についての注意点
キャッシュフローを増やす上で、税金について注意すべきことがあります。
不動産経営によって収入が増えますから、必然的に所得税も多くなる場合があります。
税金について、不動産経営の場合には、他の副業による収入とは違った点で注意をしなければなりません。
注意する点(1)ローンの元金返済分は「所得」になる
ローンの返済分は、経費と考えがちですが、税務上は違います
ローン返済分のうち利息の部分は経費なのですが、元金返済分は、経費ではなく所得として捉えられます。
借金を返済した分だけ、あなたの「財産」が増えていくわけです。
つまり、実際のキャッシュフローが100万円だったとしても、ローンの元金を200万円分返済していた場合、その200万円も所得だとみなされます。
キャッシュフローが100万円しかなかったとしても、税務上は、ローン元金返済分も加えた所得に基づいて所得税が算出されてしまうのです!
注意する点(2)滞納家賃も売り上げにしないといけない
入居者が家賃を滞納して、収入が入って来なかった場合も「未収金」として売り上げに計上しないといけません。
例えば、50万円の家賃が滞納になっている場合は、50万円の「債権」を持っていることになり、実際に手にしたお金以上の売り上げを計上することになります。
常に滞納に気をつけて、入居費の回収に努めていないと、税金だけ払うことになってしまって、現金が足りなくなる可能性もあるのです。
注意する点(3)毎年発生する税金
不動産を取得する際に、不動産取得税や印紙税、登録免許税などの税金や登記費用といった経費が発生することはご存知かと思います。
しかし、不動産経営をスタートさせてから毎年発生する税金については、案外気にかけない人も少なくありません。
固定資産税や都市計画税、また事業規模によっては個人事業税が掛かる場合があります。
これら毎年必要な税金も合計すると、大きな金額になる場合があるので、あらかじめキャッシュを用意しておくべきでしょう。
以上のように、不動産経営では、様々税金や経費が掛かることを念頭に、キャッシュフローを正確に算出しておき、事前に備える必要があります。
- 生活水準を一度上げるとなかなか下げられない
不動産経営を始めると、あなたの口座に毎月コンスタントにお金が振り込まれるようになります。
そこからローン返済分や様々な管理費等が引かれた結果、毎月いくらかのお金が手元に残るというケースが多いでしょう。
実は、この「いくらか」のお金というのが曲者です。
実際は税金や修繕費用の積み立てに回すべきお金なのですが、人間というのは弱いもので、このお金をついつい使ってしまいがちなのです。
そうすると、気が付けば、このキャッシュが自分の家計の一部に組み込まれてしまい、知らず知らずに生活レベルが上昇してしまう、ということが起こります。
不動産経営のキャッシュフローが、生活費に組み込まれてしまうと、事業の余力が少なくなってしまいます。
空室や家賃の滞納、エアコンの故障など、些細なトラブルが発生するのは、事業では当然起こりうること。
このようなことで、経営に行き詰ってしまうことのないように、注意しなければなりません。
- 最初は、キャッシュフローには手を付けない!
毎月のようにキャッシュを稼ぎ出してくれる不動産経営ですが、このキャッシュは、企業の場合で言えば、売り上げや粗利益です。
最初の投資物件では、「キャッシュフローには手を付けない」というくらいの心構えが必要です。
そして入ってくる家賃収入と、家計とは別の口座で管理します。
そうすれば、予想外の出費に慌てたり、想定外の空室や修繕費に悩んだりすることから解放されるでしょう。
最初は、いかに純利益を多く残すかに焦点をあて、実際にキャッシュフローが積み上がってきたら、次の投資を行う。
そして、新たなキャッシュフローが手に入る仕組みをつくっていく。
このような複合的な投資をすることで、より強固な経営状態にすることができます。
不動産経営では、一般の企業と同じように、事業経営をする必要があります。
短期的視点で事業を捉えるのではなく、長期的な視点でどのような経営を行っていくのか、考えながらキャッシュを使っていかなくてはならないのです。
文/株式会社フィット「投資の窓口」編集部
2016/09/05