住みたい場所を自由に選び、自分のライフスタイルをデザインする
2016/03/04
- 住みたい場所を自由に選ぶ時代
こんにちは。株式会社フィット「投資の窓口」編集部です。
東日本大震災の後、大都市から、生活コストが安く住環境のよい地方へ移住する、いわゆる「Iターン」をする人が増えました。
インターネットの普及した今なら地方に居ても仕事が成り立つというわけで、田舎暮らしに魅力を感じて移住する都会育ちのクリエイターも多いようです。
人口減少で悩む自治体が、移住者に対して補助金を出す等の支援制度を設けている場合もあります。
京都府舞鶴市では、過疎化や高齢化の進む農村地域へ積極的に移住者を受け入れるために、移住希望者には空き家のリフォーム費用として上限180万円の補助金が支給されるそうです。
また、国が行った「東京在住者の今後の移住に関する意向調査」によると
10代・20代の東京在住者の46.7%が「地方への移住を検討している」または「今後検討したい」と考えているそうです。
同資料によると、‟移住受け入れに成功している地域は、「ここに住めば、こんなすばらしい暮らしができる」といった生活環境やライフスタイルを前面に出しており、「移住すればこんな補助金がもらえる」といったPRをしているところは往々にして長続きしない”という面もあるようです。
補助金などの手厚い支援があることも移住先を選ぶ選択肢の一つにはなるでしょうが、どのような環境で、どのようなライフスタイルを実現できるのかといった点も、重要なポイントになるのでしょう。
住みたい場所を自由に選び、そこで実現できるライフスタイルを重視する時代になってきていると言えそうですね。
- 「孫ターン」という新しい移住のかたち
「Iターン」のほかにも、故郷に戻る「Uターン」や、都会から故郷に近い地方都市へ移住する「Jターン」など、さまざまな移住のかたちがあります。
最近では「孫ターン」という言葉も聞くようになりました。(参考:NHK NEWS WEB “孫ターン” 新しい移住の形)
これは、都会で生まれ育った若者が、両親の住む故郷ではなく、祖父母の暮らす地方へ移住すること。
「Iターン」のように縁のない土地へ移住するよりも、元々祖父母が暮らしているため、地域に溶け込みやすいことや、子育て世代にとっては、祖父母に子育てを手伝ってもらえることも、移住のきっかけになっているようです。
そして、新たに家を購入したり借りたりしなくても祖父母の暮らす家に住むことができるなど、コスト面のメリットは、やはり大きいようですね。
- 人が、村も人も活性化していく
高齢化の進む農村では、町村を活性化させるために若者の移住を歓迎しているわけですが、活性化するのは経済だけではないようです。
あるテレビ番組で、ニートの若者が高齢者ばかりの農村を訪れていました。村の人たちは、若者が来たことを喜んで、さまざまな食べ物を持ち寄り、スマートフォンの使い方を教えてもらったり、生き生きと交流を楽しんでいました。
若者と触れ合うことを喜ぶお年寄りがいて、自分を必要とされて輝くニートの若者がいる。彼がその後、その農村に長期滞在をしたのかどうかはわかりませんが、滞在中、村に明るい空気が流れていたことは間違いありません。
過疎地の経済を活性化するだけでなく、新たな移住者との交流が、人々に新たな刺激を与えて、人間関係が活性化することも、移住を歓迎する理由なのでしょう。
これまで「これが当たり前」だとか「こうすべき」と思われていたライフスタイルとは違う、自分らしい暮らしを選択できる時代が来ています。
自分が住みたい場所を選び、自分のライフスタイルを自由にデザインする。
そこにはもう、既成概念への遠慮は不要なのでしょう。文/株式会社フィット「投資の窓口」編集部
2016/03/04