衛星インターネット「Starlink」とは？導入のメリットや空室対策になる可能性があるケース

2023/06/26

Starlinkとは？

Starlink（スターリンク）とは、従来のように電話線やケーブルを介してインターネット回線に接続するのではなく、専用の受信アンテナを介して衛星と通信を行うことでインターネットに接続するサービスです。イーロン・マスクによって設立されたアメリカの航空宇宙メーカー、SpaceX社が提供するサービスで、日本ではKDDIが運営しています。

賃貸物件でStarlinkを導入するメリット

賃貸物件でStarlinkを導入するメリットには、以下のようなことが挙げられます。

光回線を導入できないエリアでも導入できる

従来のサービスが電話線やケーブルを介してインターネット回線に接続するのに対し、Starlinkはアンテナを介して衛星から電波をキャッチし、インターネット回線に接続します。このため、Starlinkを導入することで光回線が導入されていないエリアであっても快適なインターネット環境を手に入れることが可能です。

十分な速度を担保している

Starlinkの回線速度は下りで20～100Mbpsと、光回線の平均的な速度である300Mbpsと比べるとやや劣るものの、快適なインターネット環境という意味では十分な速度を担保しています。今後改善が進められることで、より速い速度の実現も期待できるでしょう。

災害時に活用されるケースがある

大地震などの災害時、ケーブルが切断されるなどしてインターネットに接続できなくなる可能性も考えられます。一方、Starlinkは衛星から電波を受信する方式のため、災害時の非常用回線として活用できるのがメリットです。

Starlinkに向いている物件と注意点

空室対策としてStarlinkの導入が有効になると考えられるのは、どのような物件なのでしょうか。導入する際の注意点もあわせて確認していきましょう。

ネット環境が充実していないエリアにおすすめ

2023年現在、Starlinkは高速のインターネット回線を利用できるとはいえ、光回線と比べるとやや速度が劣ります。電話線やケーブルを引けるエリアであれば、光回線を選択するほうが、より入居者の利便性につながるでしょう。一方、Starlinkの導入に向いているのが、郊外や山間部、島などネット回線が不安定なエリアの賃貸物件です。こうした物件でStarlinkを導入すれば、周辺の物件の多くがインターネットを快適に利用できない中で安定したインターネット環境をアピールでき、大きな差別化につながるはずです。

利用料金が高額になりやすい点に注意が必要

現在、Starlinkの利用料金は、6,600円/月と、光回線の平均的な価格である3,000円～5,000円/月と比較すると割高です。ただし、サービス開始当初の1万2,300円から大幅に値下されていることから、今後もさらなる値下げが行われれば、光回線との価格差が小さくなることも考えられます。まだまだStarlinkは最近生まれた新しい仕組みのインターネットサービスということもあり、今後の動向に注視しつつ、所有する賃貸物件に応じて導入を検討していくのがよいでしょう。

▼『フィット賃貸経営通信』6月号より
毎月フィットの賃貸オーナーの皆様には『フィット賃貸通信』をお送りしております。
詳しくはこちら