賃貸オーナーは法人化すべき?法人化の具体的なパターンとメリット・デメリット
2023/06/12
- 賃貸オーナー法人化の代表的な2つのパターン
賃貸オーナーさんが法人化するパターンには、大きく分けて2つのケースがあります。
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不動産所有会社を設立する
1つ目は、不動産を所有する法人の設立です。この場合、社内の人員で不動産を管理するケースと管理を他社に委託するケースがあります。家賃収入のほとんどを保有する会社で受け取れるため、所得移転効果を最大化できます。
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不動産管理会社を設立する
2つ目は、不動産管理会社の設立です。このケースでは、個人で所有する不動産を法人が一括借り上げし、入居者から得た家賃収入の一部をサブリース料として受け取ります。法人が受け取るサブリース料は賃料の10~20%程度で、残りの賃料は個人が受け取ります。
- 賃貸オーナーが法人化する3つのメリット
賃貸オーナーさんが法人化するメリットには、以下のようなものがあります。
所得が一定額以上あれば所得税の節税につながる
個人で収入がある場合は所得税、法人で収入がある場合は法人税等を納める必要があります。所得税は所得が高くなるほど税率が高くなる「累進課税制度」が採用されています。
一方、法人税は年800万以下の部分と超の部分で税率が異なりますが、所得税ほどの違いはありません。上記の違いから、所得900万円以上あると法人化のメリットが大きくなるでしょう。
所得を分散させることで所得税の節税につながる
前述の通り所得税は所得が大きくなるほど税率が高くなりますが、法人と個人で所得を分散させることで税率を抑えられます。また、家族を社員にして給料を支払うことで、所得を分散させ、所得税を抑える方法もあります。
相続時に承継しやすくなる
法人で不動産を所有している場合、法人を承継することで所有する不動産ごと相続が可能です。
- 賃貸オーナーが法人化するデメリット
賃貸オーナーさんの法人化にはデメリットもあります。
赤字でも税金を納める必要がある
個人の場合、所得ゼロや赤字であれば税金を納める必要がありませんが、法人は赤字であっても法人住民税の均等割を納めなければなりません。
売却時の税金が高くなる可能性がある
法人で不動産を売却すると売却利益に加え、家賃収入など、売り上げのすべてを合算して法人税を算出しなければなりません。利益が大きいほど税金が上がるため、売却時は法人税が大幅に上がってしまう可能性もあるでしょう。
一方、個人で売却した場合は、譲渡所得税として単独で計算するため、所得額に関わらず一定額となります。右の表の通り、譲渡所得税は所有期間によって税率が異なり、5年以上所有した場合は、法人で売却するよりも税率が低くなるでしょう。こうした税制度についてよく理解したうえで、法人化するかどうかを検討することが大切です。
▼『フィット賃貸経営通信』6月号より
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2023/06/12